東京高等裁判所 昭和40年(行コ)29号 判決
法人税法(本件係争の各事業年度の当時施行中のもの、以下同じ)第九条第一項の規定によれば、法人税の課税標準である各事業年度の所得金額は、各事業年度における総益金から総損金を控除した額によるものであるところ、当該法人が正規の簿記の原則に則り正確な記帳をしている限り、右総益金及び総損金は帳簿上その発生源泉ごとにこれを明らかになし得るものであるが、当該法人が法人税逋脱の意図をもって売上除外、架空仕入及び架空経費等不正な記帳をなし、しかも税務当局の調査に対し、不正記帳の具体的な内容を明らかにすることを拒否し、非協力的態度を示す場合においては、税務当局としては合理的な方法によつて当該法人の所得を推計せざるを得ず、その一つの方法として当該法人の期首及び期末における資産、負債の増減を比較するいわゆる資産負債増減法によることが許されることは法人税法第三一条の四第二項の規定によって明らかである。そして前記認定の事実に照らせば、本件の場合はまさに右条項の適用されるべき場合ということができる。
(平賀 安達 後藤文)